彼岸島は2002年から連載を開始した、吸血鬼と人間の戦いを題材とした漫画です。
連載期間が長く、映画化、ドラマ化もされています。
漫画は現在第3部まで出ていますが、このブログでは主に第1部の彼岸島のレビューをしたいと思います。
大事なネタバレはしませんが、あらすじや見どころを紹介する上で、初期の内容は一部記載しています。

概要

  • 作者:松本 光司(まつもと こうじ)
  • 掲載:週刊ヤングマガジン(講談社)
  • 期間:2002年~2010年にかけて連載 ※第3部は連載中
  • 巻数:全33巻(完結)
  • 続編:第2部→彼岸島 最後の47日間(全16巻)
    第3部→彼岸島 48日後…(現35巻 ※当記事投稿時点)
  • 備考:2010年・2016年に実写映画化
    2013年・2016年にテレビドラマ化

あらすじ

主人公の宮本 明(みやもと あきら)は大学に進学が決まっている高校3年生。

頭の中で空想し、物語を作るのが得意な明は、同級生のたまり場であるプレハブ小屋で、友人たちに空想話をするのが定番となっていた。

友人たちとの関係は良好であり、明は友人グループの一員であるユキに想いを寄せていた

しかし、ユキは友人たちの中でリーダー格のケンと付き合っており、明は内心嫉妬する日々を過ごしていた

明には、2年前に行方不明になった優秀な兄がおり、兄と比べられることにも劣等感を抱いていた。

うまくいかない日々を過ごしていた明であったが、ある日、青山 冷(あおやま れい)という美女と知り合うことになる。

謎が多い 冷は、明に積極的に近づき、行方不明になっている兄の免許証を持っていることを明かす。

明はうさん臭さを感じていたが、ユキに対する恋心が実らないこともあり、冷の誘惑を拒否できずにいた。

明のことを心配した友人たちは、冷の正体を突き止めるため、冷のいるホテルに乗り込むことを決行する。

そこで見たのは、冷が男に血を吸われている光景だった。

男に見つかってしまい、襲われてしまう明たち。

冷に助けられ、危機を脱した後、男の正体は吸血鬼であることを冷から聞かされる。

そして、冷の住んでいた村は吸血鬼に襲われており、その村に明の兄がいることも知らされる。

冷が明たちの街に来たのも、吸血鬼が血を吸うための人間を連れてくることが目的であった。

明たちは、兄を探すため、冷の村へ出航する船に乗り込むのであったが、村に到着する前に吸血鬼たちに襲われてしまう

吸血鬼がうごめく絶望の村、「彼岸島」に閉じ込められてしまった明たち

彼岸島で兄と再会することができた後、吸血鬼のボスが雅であり、雅がすべての元凶であることを知る。

彼岸島に残る人間たちと力を合わせ、吸血鬼との生き残りをかけた戦いを決意する明の壮絶な日々が始まる。

登場人物紹介

宮本 明(みやもと あきら)
初登場時は卒業間近の高校三年生。当初は友人グループのユキに想いを寄せており、ユキと付き合っているケンに嫉妬していた。初期の頃は身体能力も特に優れていなかったが、彼岸島に来てから修行を積み、精神面・身体面ともに成長し、吸血鬼たちと渡り合えるようになる。

雅 (みやび)
吸血鬼のボス。彼岸島が吸血鬼の支配下になってしまった全ての元凶。数百年前から存在している。鉄扇を武器とし、不死身の肉体で明たちの前に立ちふさがる。残虐で容赦のない性格。

宮本 篤 (みやもと あつし)
行方不明になっていた明の兄。婚約者の実家である彼岸島に訪れた際、封印されていた雅を解き放つきっかけを作ってしまう。並外れた身体能力で、人間でありながら吸血鬼と互角に渡り合うことができる。

青山 冷 (あおやま れい)
明たちの住む本土に現れた謎の多い美女。故郷である彼岸島が吸血鬼に支配され、吸血鬼の餌食となる人間を集めるふりをしながら、戦力となる仲間を増やそうともしていた。明たちが彼岸島に渡るきっかけを作る。

斉藤 健一(さいとう けんいち)
通称ケンちゃん。明の友人グループのリーダー格。ユキと付き合っている。兄貴肌な性格であるが、無鉄砲でもあり、仲間が危険に巻き込まれるきっかけを作ることも多い。

坂下 ユキ(さかした ゆき)
明の友人グループの一人。ケンと付き合っているが、明にも想いを寄せられている。ケンに反対されたが、危険を承知で彼岸島に行こうとする気の強い部分がある。弓道の経験があり、弓を武器に戦ることがある。

西山 正一 (にしやま しょういち)
明の友人グループの一人。実家は文房具屋。身体能力は低いが、頭が良く、爆弾などの協力な武器を作ることができる。明とケンが喧嘩したときに仲裁をすることもある。なぜか豚汁を作ることも特技。

三村 正和(みむら まさかず)
通称加藤。明の友人グループの一人。ケンちゃんといつも一緒に遊んでいたことから加藤というあだ名がついた(志村けんと加藤茶の関係から)。あまり目立った活躍はないが、肥溜めに落ちたり、コミカルな役回りが多い。

吸血鬼(きゅうけつき)
元は人間。人間の体内に吸血鬼の血が入るとウイルスに感染し吸血鬼化する。人間の頃の記憶もあり、感情も持つ。身体能力は人間の数倍になり、牙もある。体を切り離されても死なないが、頭部を切り離されれば絶命する。感染が進むとさらなる化け物に変貌してしまうが、人間の血を吸うことで症状を抑えることができる。

邪鬼 (おに)
吸血鬼が人間の血を吸わない状態が続くと変貌してしまう化け物。吸血鬼と違い、感情のコントロールがきかず、本能のままに人間や吸血鬼に襲い掛かる。

見どころ・おすすめポイント

おもしろツッコミどころ満載

連載当初はホラーとして切羽詰まる展開や、ドキドキの要素も多かったのですが、途中からツッコミどころが多くなってきます。

特に以下の2点は頻繁にみられるツッコミシーンです。

①丸太が大活躍

でかい丸太を武器に人間が吸血鬼に戦いに挑む。

「みんな、丸太は持ったな!」と真剣に叫ぶ姿が滑稽です。

「重たくて使いにくくないか」とツッコミを入れるキャラはいません。読者が感じるのみです。

他にも、明が高いところから落ちてくる途中で「この丸太につかまれ」と差し出されるが、丸太は丸く滑るため結局つかまれずに落ちてしまいます。

つかまれないのに、なぜこのシーンが描かれたのか。不思議でツボります。

②彼岸島に人口が多すぎ

邪鬼(おに)に何人喰われ殺されても、次から次に人間が出てくる

彼岸島に一体どれだけ人口がいるのか。

「この中に医者はいるか」と飛行機の中にように問われ、都合よく医者が名乗りあげるシーンもあります。

読んでいくと、他にもいっぱいツッコミどころがありますが、逆にツッコミどころを探すのが楽しみになってくる不思議な漫画です。

グロすぎてキモチ悪い邪鬼 (おに)

吸血鬼が変貌した化け物である邪鬼(おに)ですが、あまり食事中に見たくないようなものが出てきます。

巨大ムカデのような本体に女の顔無数の乳房無数の人間の腕が生えている「」が特に印象に残るグロさでした。

他にも、巨大な女のからだに、上半身がエビ股間に老人の男の顔がついている「エテ公」もグロ気持ち悪かったです。

よく次から次へ気持ち悪い化け物を思いつくなあと感心させられます。

「彼岸島」の感想まとめ

先ほども書きましたが、こわい漫画でありながらツッコミどころを探すのが面白い作品です。

このブログにギャグというカテゴリーを増やさないといけないかと思ったのですが、なんとか踏みとどまり、グロ漫画のカテゴリーとしました。

ですが、初期の頃の彼岸島は本当にこわかったです。

吸血鬼に追い詰められる明たちの恐怖が見事に描かれていて、ハラハラドキドキの展開の連続でした。

私が初めて読んだのは、10年以上前に寄った古本屋だったのでした。

なんとなく表紙の不気味さに惹かれ立ち読みしましたが、あまりのこわさに「面白い!」と思い、すぐに1巻から10巻くらいまで購入した記憶があります。

こわい漫画が好きな方は、是非最初の1巻だけでも読んでもらいたいです。

現在も連載が続いている漫画ですが、ここまで続けていくには、こわい要素以外にも、色々な面白要素を取り入れないと難しかったようにも感じます。

全体的には、バトル要素も多く、気楽に楽しみながら読める漫画です。

これからもツッコミ要素を探しながら読みたいと思います(笑)