本作品はざっくりいうと、青少年矯正施設に入れられた不良たちが、学園を本拠地にゾンビと戦う話です。
原作の蔵石 ユウ(くらいし ゆう)さんと、作画のイナベカズさんのコンビは別作品「食糧人類」も描かれています。
概要
- 原作:蔵石 ユウ(くらいし ゆう)
- 作画:イナベカズ
- 掲載:月刊少年ライバル(講談社)→新雑誌研究所(講談社)→マンガボックス
- 期間:2014年~2015年にかけて連載
- 巻数:全10巻(完結)
あらすじ
16歳の少年、前田 義明(まえだ よしあき)はどこにでもいそうな平凡な学生。
ある日、殺人現場を目撃するが、犯人と間違われ、無実の罪で捕らえられる。
前田が連れて来られたのは、関東中の不良少年が集まるとされる、青少年矯正施設の松嵐学園だった。
同室の4号室には、室長の吉岡を筆頭に、岩倉、山野井といった、クセの強い連中がそろっており、学園内での争いも絶えない中、前田は不安を覚えながら日常を過ごしていく。
そのころ世間では、駅で暴れていた犯人が、パトカー内で警察を咬み殺す事件が起きる。
犯人の正体はゾンビであり、犯人を抑えることに協力した人の中にも咬まれている者がおり、いずれもゾンビ化してしまった。
人間のゾンビ化はあっという間に広がり、前田達のもとにもゾンビが現れる。
少年達は、学園を舞台に、ゾンビとの戦いから生き残るべく力を合わせ戦うことを決意する。
登場人物紹介
- ・前田 義明(まえだ よしあき)
- どこにでもいる平凡な少年。殺人犯に間違われ、青少年矯正施設へと入れられる。当初は学園内での生活に不安を覚えていたが、同室の4号室メンバーを中心に力を合わせ、ゾンビ達との戦いを繰り広げていく。
・ボコール- 「光の子」と称され、ゾンビ達の頂点に君臨する謎の男。生殖器はなく、常に全裸。人間達の中で、何故か執拗に前田に固執し、感染させようとする。
・吉岡 正文(よしおか まさふみ)- 4号室の室長。18歳の少年。常にナイフを持ち歩いており、頭が切れる。見た目は端正な顔立ちで、女に間違われることもあるが、非常に好戦的な性格。
・岩倉 剛(いわくら ごう)- 4号室のメンバーで17歳の少年。寡黙であるが、訳あって幼少期より鍛錬を積んでおり、屈強な肉体を持つ。正義感が強く、仲間を助けるためには自らの犠牲もいとわない。
・山野井 満(やまのい みつる)- 4号室のメンバーで17歳の少年。知力が高く、機転を利かせ、仲間達の窮地をいくつも救う。冷静な性格で、残忍な決断も迷わず行う。
・一ツ兜 清春(ひとつかぶと きよはる)- 6号室の室長。ゾンビが現れ、学園の大人達が殺されたことにより、少年達のリーダーとなる。当初、吉岡ら4号室のメンバーを信頼していなかったが、次第に協力するようになる。過去の壮絶な体験により、感覚で2秒先の未来がわかるようになる。
見どころ・おすすめポイント
爽快なバトルシーンと個性的なキャラクター
漫画の内容としては、学園の不良たちとゾンビとのバトル要素が多く、爽快なアクションシーンが好きな方にオススメです。
主要キャラクターも最初からゾンビ達と戦うことに対してほとんど恐怖心を感じておらず、ゾンビ相手に銃をぶっ放したり、武器を振り回したり、車でひき殺したり、精神的に強すぎです(笑)
闘いの中で強まっていく主要キャラクター達の絆や、繰り返される絶望的な展開にハラハラドキドキしながら読めます。
派手なグロ描写
別作品の「食糧人類」もですが、イナベカズさんの描くグロ描写は迫力があります。
特に、狂気に満ちたゾンビや、人間が喰い殺されるシーン、気持ち悪い化け物の描写に引き込まれます。
残酷なエグイシーンって、怖いもの見たさの欲求でついつい夢中になって読んでしまいますね。
「アポカリプスの砦」の感想まとめ
「アポカリプスの砦」は、ゾンビが現れ、パニックになるまでの展開は序盤から急におとずれるので、最初からハラハラして読めました。
ゾンビを扱ったような、感染系の漫画は近年増えてきているように思いますが、この作品は、ゾンビが現れた理由を人類の進化としています。
つまり生き残っている人間は旧人類という扱いをしており、発想が斬新でした。
ゾクゾクするような心理戦の駆け引きなどは少なかったように思いますが、迫力のあるバトル要素が好きな方に特におすすめの作品です。