突如、人食い金魚が大量発生し、渋谷を襲うという斬新な物語です。
なぜ金魚なのか?謎です。

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概要

  • 作者:蒼伊 宏海(あおい ひろうみ)
  • 掲載:ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
  • 期間:2016年~2021年にかけて連載
  • 巻数:全11巻(完結)

あらすじ

私立珀水高校2年の月夜田 初(つきよだ はじめ)は、特に目立たない平凡な存在だった。

初は個人映画を作製するほどの映画好き。

ある休日、友人からの合コンの誘いを断って、趣味の映画撮影をするために渋谷を訪れる初だったが、騒がしく派手な人間しかいない渋谷を異世界と感じ、全く楽しむことができていなかった。

初は、日常生活に不満を持っていたわけではないが、単調な毎日に物足りなさを感じており、映画の世界のような刺激を求めていたのである。

もう家へ帰ろうと考えた初だったが、何気なく立ち寄った店でしつこくナンパをされていた女の子を偶然にも助けることとなる。

その女の子は、学園一の美少女の深草だった。

深草はお礼にご飯を奢ると言い、急な展開に心躍る初。

そこへ突然、深草をナンパしていた男の顔が半分だけ床へ飛んできた..そして、後から現れたのは巨大な金魚だった。

金魚は落とした顔を食べつくし、初は危険を察知。深草の手を引き懸命に逃げる。

街へ出ると、そこには巨大な金魚の集団がひしめきあっていた。

パニックになる人々。深草も金魚に襲われてしまう。

渋谷は突如、巨大な金魚によって、絶望へと追い詰められてしまうのであった。

その後、何とか命拾いした初。気がついたところは喫茶店だった。

喫茶店では、金魚から逃げ延びた人間が集まっていたが、誰も逃げられず、ライフラインもない中で閉じ込められていた

生きる希望を失っていた初であったが、共に閉じ込められている、駆け出しアイドルの碓氷 アリサ(うすい ありさ)の前向きな姿勢をみて考え方を変えようとする。

そこへ希望の光が差す。自衛隊の救助ヘリが生存者を迎えにくるというアナウンスが入ったのであった。

ヘリの指定場所はスクランブル交差点。生き残ることを誓う初らは、巨大金魚が溢れる渋谷の街へと飛び出していく…

登場人物紹介

月夜田 初(つきよだ はじめ)
映画好きで、自主映画も撮っている高校2年生。男友達を長時間撮影に付き合わせることもあるが、出演してくれる女子が見つけられずにいる。渋谷へと撮影のため訪れた際、巨大金魚の襲来に巻き込まれてしまう。そこで出会った碓氷アリサと夢を語り合い、自主映画に彼女が出てくれることとなり、生き延びる決意を固める。

碓氷 アリサ(うすい ありさ)
駆け出しのアイドル。前向きで、いつも強い気持ちをもっている少女。ファンである、小学生の女の子からもらったシュシュが宝物。生きる望みを失っていた初の気持ちを変えてくれた存在。初の映画に出る代わりにミニライブに来ることを交換条件とし、共に巨大金魚から生き延びる約束をする。

雪野 杏子(ゆきの あんず)
正義感の強い女性刑事。もうすぐ30歳になるが、結婚相手がおらず、後輩の藤森からイジられて切れている。巨大金魚から生き残るべく、懸命に前に立って指揮をとる頼もしい存在。

深草(ふかくさ)
初と同じ高校へ通う、学園一の美少女。渋谷でしつこくナンパされているところを初に偶然助けられる。巨大金魚から初とともに逃げる際、本性をあらわす。

藤森(ふじもり)
雪野の後輩刑事。男性である。結婚できない雪野をからかっているようであるが、心から慕っている様子。

渋谷の貂(しぶやのてん)
物語のもう一人の主人公。渋谷でホームレスをしている少年。凶暴な性格で、揉め事が絶えず、渋谷で数々の狂人伝説を残している。巨大金魚とも対等に戦っている。助け合いをすることは好まず、金魚を殺しているのも、渋谷の支配者が自分だということを証明するためである。

見どころ・おすすめポイント

敵が金魚というのが面白い

まず、金魚が人類を襲うという発想が斬新な漫画でした。

圧倒的な巨大金魚たちの前になすすべもなく食い殺されていく人間の脆さが切ないです。

グロ描写も激しく、バクバク人間を食いちぎる金魚。

もし、人間より強い生物が現れたら、きっとこんな絶望的な状況になるんだと思いながら読んでいました。

いきなりの裏切り

巨大金魚も迫力があって面白かったですが、私が一番よかったなと思ったのが、ヒロインかと思っていた深草が序盤で、初にゲスい本性をみせるところですね。

人間が追い込まれたときに、汚いこころがみえるのがリアルで楽しくなりました

登場人物の生きることを諦めない姿勢

生き残っている登場人物たちは、金魚の特性を調べたり、お互いが協力しあったり、あらゆる情報や戦略を駆使して、生き残るために必死に戦い続けます

しかし、その都度、巨大金魚たちに希望の光を潰されてしまい、絶望感を与え続けられ、ドキドキの展開が楽しめます

特に、登場人物の一人である渋谷の貂(しぶやのてん)は、一匹狼でありながら、金魚を圧倒する力があり、爽快なバトルシーンは読んでいて気持ちいいです

「渋谷金魚」の感想まとめ

この漫画の感想は、賛否わかれると感じました。

実際に色んなサイトの口コミにも、低評価の方もけっこういますが、頭を使ったバトルシーンや、巨大金魚による残虐シーンなど、個人的には楽しんで読むことができました。

ただ、心が荒んでいる私は、生き残っている人間同士でも、もっとドロドロした裏切り展開があってもよかったと思いました。

人間が食い殺されるような刺激的なグロ描写も平気!(変な聞き方ですが..)という方は、一度読まれてはどうでしょうか。

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