戦慄が走るホラー漫画です。作者の望月峯太郎さんは他に『ドラゴンヘッド』も出されています。
座敷女は約30年前の作品ですが、私の中では全く色褪せません。夢に出てきそうです…
概要
- 作者:望月 峯太郎(もちづき みねたろう)
- 掲載:週刊ヤングマガジン(講談社)
- 期間:1993年に連載されていた
- 巻数:全1巻(完結)
あらすじ
大学に通う一人暮らしの森ひろしは、ある日の深夜2時頃、隣の部屋がインターホンを鳴らされていることに気付く。
ノックもしつこくされており、女の声で「開けてよ」という声が聞こえる。
隣に住んでいるのは同じ大学に通う「山本」という男だったが、ほぼ交流はなかった。
気になったひろしがドアを開けると、そこに立っていたのは長髪でロングコートをまとった大きな女だった。
女と少しだけ言葉を交わした後、彼は就寝しようとするが、女はしばらく隣をノックし続けていたため寝不足になってしまった。
次の日も、深夜2時頃に女は現れた。
気になったひろしが玄関前で様子を確かめようとしていたとき、突如自分の部屋のインターホンが鳴る。
そして間髪いれずドアノブが回される。
たまらず鍵を開け、用件を聞くひろし。
女は、山本が絶対に部屋にいるはずなので、代わりに声を掛けてほしいと言う。
夜遅い時間であったため断ろうとするが、山本がひろしの部屋にいることを疑い始めた女。
仕方なくひろしは隣の部屋に声を掛けるが、やはり出てこない。
その後、女は電話を貸してほしいと言い、ひろしは承諾するが、電話機に番号を書いていたため、女に知られてしまうことになる。
後日、大学の事務局から呼び出されるひろし。
女が電話をかけてきたのであった。
女は、電話を借りたときに玄関でポーチを忘れてしまったため、今すぐ返してほしいと言う。
ひろしはあまりに身勝手な行動をとる女に対し怒りをあらわにする。
すると女は反省し、どうしても今すぐポーチが必要だと訴える女。
ひろしは怒りを抑えるが、意中の女の子と待ち合わせていたため、電気メーターの上にある予備の鍵を使って部屋に入っていいと言ってしまう。
このことをきっかけに、女はひろしの部屋の合鍵を作り、標的をひろしへと代える。
女の異常な行動は続き、ひろしは精神的に追い詰められていくのであった…
登場人物紹介
- ・ 森 ひろし(森 ひろし)
- 大学生の男。コンビニでバイトしており、常連客の神埼るみ(かんざきるみ)に好意を持っている。夜中にアパートの隣部屋を訪ねてきた大女と出会ってしまったことで付きまとわれるようになる。
・サチコ- ひろしに付きまとう不気味な大女。垂れ流した長髪、ロングコート姿が特徴。執念深く、標的にした相手に対して異常な行動をとり追い詰めていく。
・神埼 るみ(かんざき るみ)- ひろしの働くコンビニによく訪れる女子高生。ひろしと関わることで、サチコの異常な行動に巻き込まれることとなる。
・佐竹(さたけ)- ひろしと同じ大学に通う友人。小学校からの仲。高校では陸上のインターハイに出たことがある。
・服部(はっとり)- ひろしと同じ大学に通う友人。行方不明になっている山本の情報を探ろうとする。
・山本(やまもと)- ひろしのアパートの隣に住んでいる大学生。サチコに付きまとわれているが行方不明。
見どころ・おすすめポイント
ストーカーの大女サチコの得体の知れない化け物感
ストーカーの大女サチコのビジュアルが怖すぎる!
面長でクマだらけの目、垂れ流した長髪、不気味なロングコート、そして威圧的な高身長。
こんな女がロボットみたいな走り方で100m10秒級で走ります。全身鳥肌です…
力でなら勝てると思うと少しは余裕が出ると思いますが、物理的にも勝てないとなると、恐怖しか感じません。
たまたま出会ってしまった絶望的な状況
特に何か恨みを買ったわけでもなく、優しく接したわけでもない。
ブッとんだストーカー女が容赦なく電話してくる、そして勝手に部屋に侵入してくる、どこに行っても逃げられない。
理由がわからないのに、心理的に追いつめられ、疲弊していく主人公の森ひろしの姿は、さらに恐怖をあおります。
「座敷女」の感想まとめ
座敷女はたった1巻で終わってしまった漫画ですが、トラウマ級のパワーを持った作品だと思っています。
ここのサイトを訪れるような方は、すでに読んだことがあるかもしれませんが、どうしても書かずにはいられませんでした。
初めて読んだのは、20年くらい前だったと思いますが、読み終わった後はサチコの怖さが頭に残りすぎて、シャンプーしているときに目を閉じれなかった記憶があります(笑)
でも仮に、これが美女だったらどうだったのか?と思い想像してみると、やっぱりホラー漫画の要素が弱くなりますね。
大女サチコのビジュアル込みで完成された作品だと感じました。
発売当初はストーカーという言葉も今ほど浸透していなくて、このような物語の発想っていうものが世間にあまりなかったはずなんですよね。
そんな時にこの作品を描いてしまうっていうのは天才ですね。
今でも高い評価を受けているのが頷けます。
この漫画は紛れもなく傑作です。
こわい漫画が読みたいと思ったら、是非読む価値ありです。